コンデンサ評価の際に、見落としに注意が必要な不具合の一つがイオンマイグレーションです。
本記事では、コンデンサのイオンマイグレーションの概要と発生要因、試験や対策のポイントを解説します。
コンデンサのイオンマイグレーションとは、電極間や内部構造に水分がある状態で電圧が印加された場合に金属イオンが移動し、その結果、絶縁抵抗の劣化や短絡(ショート)を引き起こす現象です。
その結果、次のような影響が生じる可能性があります。
イオンマイグレーションが進行すると、少しずつ絶縁抵抗が低下し、回路内の動作が不安定な状態になることがあります。特に高密度実装の基板では、わずかなトラブルでも誤動作につながる場合があるため、事前の確認が重要です。
イオンマイグレーションが進行した場合、出荷時の検査では異常が見つからなくても使用開始後の製品寿命が短くなる恐れがあります。
クレームにつながりやすく、企業の評価に影響を及ぼす可能性があります。
イオンマイグレーションの発生リスクは、コンデンサに使われている金属や内部の作りと深く関係しています。
水分があると溶け出しやすい性質を持つ金属材料が使用されている場合は、イオンマイグレーションが発生するリスクが高まります。
湿度が高くなるとコンデンサの表面や内部に水分が付着することがあり、イオンの移動を助けてしまいます。
温度が高いと、このような反応がより速く進むのが特徴です。夏場の高温環境や結露が発生しやすい場所では、リスクが高まります。
試験は、人工的に温度・湿度・印加電圧を管理した環境を作り出して行います。普段の使用環境では不具合が生じにくい製品であっても、不具合が起こりやすい条件を設定することで、トラブルのリスク評価が可能です。
電気の漏れや絶縁状態を測定し、その結果を数値で確認します。急激に数値が変化した場合はイオンマイグレーションが発生している可能性があるため、前後の変化を注意深く観察することが必要です。
ゆっくりとした変化が生じることもあるため、定期的な確認が欠かせません。
測定したデータをもとに、安全性や信頼性を判断します。数値を確認することで、イオンマイグレーションが起こったかどうかだけでなく、発生傾向やタイミングを把握する手がかりになります。
測定した結果を設計や材料選びに反映することは、設計段階でのトラブル防止に有効です。
水分の影響を受けにくい金属やイオンが溶け出しにくい材料を採用することで、イオンマイグレーションのリスクを抑えられます。また、内部構造についても可能であれば電極同士の距離に余裕を持たせた作りにするのが望ましいです。
使用環境を意識した対策が重要です。防湿コーティングもその一つで、水分の浸入を抑える効果が期待できます。実際に使用される環境条件で試験を行い、問題が生じないか事前に確認しておく必要があります。
対象物に合わせて選べる
マイグレーション試験受託会社
おすすめ2社を紹介
コンデンサのイオンマイグレーションは、湿度や温度、材料などの要因によって発生することがあり、製品の不具合につながる重要な問題です。
しかし、外観からでは確認が難しいため、マイグレーション試験機を活用した適切な試験を行い、コンデンサの品質確保につなげましょう。
航空機器の電子基板は、高温・高湿・低圧という過酷な条件下で稼働します。これらを再現する試験装置でイオンマイグレーションのリスクを評価することが、安全性向上の第一歩です。
狭ピッチ基板やセンサー系統には数V~数十Vの繊細な電圧制御が可能な試験機が適し、一方でパワーエレクトロニクス系の高電圧回路には数百V~数千V対応の試験機が不可欠です。
当サイトでは、低電圧試験に強みを持つIMVの試験機/平山製作所の試験槽(HAST装置)の組み合わせと、高電圧・極端環境再現に強みを持つESPECの試験機/試験槽(HAST装置)を比較し、それぞれの特長や活用シーンを整理しています。
印加電圧の違いによって求められる試験環境は大きく異なります。ここでは、対象物に合った試験を強みとする受託試験会社を、2社ピックアップしてご紹介します。

引用元:IMV公式サイト
https://www.landingpage-synergy.com/k4yeiagc/

| 印加電圧設定 | 1.0V~250V |
|---|---|
| 試験所数 | 日本国内7・海外3拠点 |

引用元:ESPEC公式サイト
https://www.espec.co.jp/products/measure-semicon/25kv/

| 印加電圧設定 | 2.5kV |
|---|---|
| 試験所数 | 国内6拠点 |