UHASTとBHASTは、HAST試験(Highly Accelerated Stress Test:高加速ストレス試験)の一種です。試験対象の半導体や電子部品が電気的ストレスを受けるかどうかに応じて、いずれか、または両方の方法が用いられます。これらの試験では、ストレス環境下における劣化や故障を短期間で再現します。ここでは、UHASTとBHASTの違いについて解説します。
UHASTは、「Unbiased Highly Accelerated Stress Test:非バイアス高加速ストレス試験」の略称で、半導体や電子部品の耐湿性や信頼性を評価する加速試験です。電圧を印加せず、パッケージの吸湿劣化状態を評価します。
UHASTでは、封止樹脂の吸湿状態やフレームと封止材料の剥離、基板の腐食状態などを評価します。材料の試験や製品の開発初期におけるスクリーニング調査などに用いられています。
UHASTでは、試験装置内に対象物を配置し、所定の温湿度条件下で一定時間保持します。湿気の浸透による材料の剥離や腐食を評価するため、通電に必要な実装や配線は行いません。試験後には、試料の外観や電気的特性の変化、腐食の程度などを確認します。
BHASTは「Biased Highly Accelerated Stress Test:バイアス印加高加速ストレス試験」の略称で、半導体や電子部品の腐食や信頼性を評価する加速試験です。動作状態でシミュレーションするため、試験対象に電圧を印加します。
BHASTでは、車載機器用の半導体といった信頼性が要求される製品に対して、腐食や短絡といった故障・トラブルの評価を行います。特に高温・高湿かつ通電状態という厳しい条件下で劣化を加速させ、長期使用時に不具合が発生するリスクを短期間で確認したいときに適した試験です。
BHASTは、試料をテストボードに実装し、テストボードと装置の端子をつないで電圧をかけられる状態にします。装置内が設定した温湿度に達した状態で、連続または間欠的に通電しながら一定時間保持する試験方法です。
UHASTはバイアス(通電)なしの加速試験で、電圧の影響がなく湿気の浸透による材料の状態をチェックする方法です。BHASTはバイアス(通電)をかける試験で、配線間の腐食やイオンの移動によるショートなどを評価します。
UHASTは、高温・高湿環境のみで耐湿性や材料の吸湿特性、封止部や樹脂パッケージの湿気が浸入する傾向を評価したいときに適しています。通電による自己発熱の影響を受けにくいため、純粋な湿気ストレスの影響を確認しやすい点が特徴です。
BHASTは電圧によるストレスがかかるため、実際の使用状態に近い状態で試験したいときに適しています。試験対象のデバイスが発熱することで湿気ストレスを確認しづらくなることがあります。
BHASTの後にUHASTも実施すれば、腐食状態と耐湿性の両方を評価することが可能です。
UHASTとBHASTは、どちらもHAST試験の一種で、バイアス(通電)の有無による違いがあります。半導体や電子部品などの性能評価の目的に応じて、両方またはいずれかの選択が必要です。デバイスの故障やトラブルの原因を特定するためには、試料の特性や試験方法の特徴を踏まえて適した方法を選びましょう。
当サイトでは、マイグレーション試験の導入事例や試験が可能な会社を紹介しています。以下の関連記事もぜひ参考にしてください。
フィードバック機能で実際のサンプル電圧をリアルタイム補正し、設定値と実際の印加電圧のズレを最小化します。
絶縁抵抗10⁵〜10¹⁴Ωまでカバーし、微小なリーク電流も正確に検出して信頼性の高い評価を実現します。
100°C超+高圧環境を作れるHAST装置との連携で、過酷条件を再現し、通常の何分の一もの時間で評価が可能です。
PC1台で最大256chまで拡張可能で、複数サンプルの一括試験による効率化と比較評価が容易になります。
たとえば、通常1,000時間かかる耐久評価を500時間以下に短縮可能。開発スピードを加速させ、思わぬ故障も未然に防ぎます。
また平山製作所のHAST装置の高絶縁抵抗を測定するための対策(特殊カバーやノイズ 対策)が、IMVの試験機が持つ高精度な測定性能を最大限に活かし、マイグレーションによる微小なリーク電流も正確に検出できるようになります。
※下記図は一例です。

| 項目 | 当社 IMV(+平山製HAST) |
他社 |
|---|---|---|
| 電圧精度 | 印加電圧の設定後、測定時にリアルタイム補正 | 印加電圧の設定のみ |
| 湿度制御 | 外部生成→内部供給で安定 (試験槽外に蒸気発生層があるため温度湿度分布が良い) | 試験槽内に装置がある場合、ばらつき大 |
| 測定スピード | 1秒未満の高速サンプリング | 数分単位の測定の場合、劣化の瞬間を捉えにくい |
| 多チャンネル対応 | PC1台あたり最大256ch | モデルによる制限 |
UHASTとBHASTの違いを理解することで、どの試験を使うべきかという判断の精度は格段に上がります。しかし、実際の評価においては「どの製品にどちらが適しているか」「どの装置を使えば適切な試験条件を満たせるのか」といった機種選定の視点が重要になります。
当サイトのトップページでは、印加電圧の大きさや用途に応じてマイグレーション試験機を紹介。信頼性評価の設計段階で考慮すべき試験方式や機種の特徴、選定時のチェックポイントもわかりやすく整理しています。
UHASTとBHASTの違いを理解することで、どの試験を使うべきかという判断の精度は格段に上がります。あわせて当然ですが、実際の評価においては「どの製品にどちらが適しているか」「どの装置を使えば適切な試験条件を満たせるのか」といった機種選定も重要です。
「自社の製品にとって、どんな試験をどんな装置で実施すればよいのか?」といった具体的な検討でお困りではありませんか?
マイグレーション試験では、試験対象によって求められる印加電圧の条件が大きく異なります。たとえば、狭ピッチのプリント基板や微小電子部品などでは数V~数十Vの繊細な電圧制御が求められる一方で、EV部品などのパワーデバイスでは数千Vの高電圧に対応した耐圧評価が必要です。
このような背景から、当サイトでは試験機の選定において「印加電圧の大きさ」を判断軸としてマイグレーション試験と試験槽をご紹介しています。具体的には、低電圧試験に強みを持つ、IMVの試験機と平山製作所の試験槽(HAST装置)の組み合わせ、また高電圧に強みを持つESPECの試験機と試験槽(HAST装置)を比較し、それぞれの特長や活用シーンを整理しています。
現在、マイグレーション試験機の導入を検討されている方は、ぜひ当サイトのトップページ(下記リンク先)をチェックしてみてください。なお各社は受託試験も行っているため、導入前にまずは受託試験サービスを試してから検討することも可能です。
最適なマイグレーション試験機・試験槽を見つけるヒントに!
印加電圧の違いによって求められる試験環境は大きく異なります。ここでは、対象物に合った試験を強みとする受託試験会社を、2社ピックアップしてご紹介します。

引用元:IMV公式サイト
https://www.landingpage-synergy.com/k4yeiagc/

| 印加電圧設定 | 1.0V~250V |
|---|---|
| 試験所数 | 日本国内7・海外3拠点 |

引用元:ESPEC公式サイト
https://www.espec.co.jp/products/measure-semicon/25kv/

| 印加電圧設定 | 2.5kV |
|---|---|
| 試験所数 | 国内6拠点 |