電子部品や半導体の製造では、試料に高温・高湿・圧力を与えて寿命や故障状況を評価します。このHAST試験(高度加速寿命試験)には、大型部品や大量の試料に対応するための大型装置が用いられます。ここでは、大型のHAST試験装置の特徴や装置の用途、製品例を紹介します。
大型のHAST試験装置は、一般的に使用されている卓上・小型タイプよりも幅や奥行きが大きく、一度に大量のサンプルを評価したり、大型の部品を試験するための装置です。
電子部品や半導体は、データセンターやEV(電気自動車)、自動運転車などの多くの分野で用いられており、大型の基板や大量のサンプルを必要とする試験の需要が高まっています。そのため、装置を大きくすることで、従来の小型タイプでは難しかった試験への対応が可能です。
また、大型の試験装置は、チャンバー内で基板を立てた状態で並べたり、厚みのある部品をそのまま設置したりできるほか、重量のある車載部品にも対応しています。チャンバー内は広い作りで、強力なファンや多数の端子を備え、試験環境の均一化が図られています。
大型HAST試験装置は、大量サンプルの同時試験や大型モジュール・大型ユニットの試験に対応できるため、部品のサイズや重量にかかわらず、効率的に試験を行えます。部品の信頼性確保に寄与しながら、一度に多くのデータを取得し、試験の効率化を図る目的で用いられています。
また、車載電子機器や太陽光発電システムの部品など、サイズの大きな製品の開発や製造前評価にも利用されます。さらに、2段積みタイプの大型装置であれば、上下段で異なる試験条件を設定し、同時に別々の試験を進行することも可能です。
多種多様な試料サイズに対応できる大型HAST試験装置です。最大1000V・1A×120ピンの通電試験が行える高電圧・多ピン対応タイプなどがあり、一度に扱える試料数が多いため、効率的なデータ収集が可能です。これにより、試験コストの抑制や試験サイクルの改善につながります。また、専用のコネクタブロック治具を採用することで、はんだ付けや端子番号の確認作業が不要となり、配線作業の簡素化が図れます。
機械式扉ロック機構や扉ロックセーフティ機構などを標準装備した、大型のHAST試験装置です。大容量のテストエリアを持ち、従来サイズよりも大きなモジュールサイズの試料に対応します。プレッシャークッカー試験や不飽和プレッシャークッカー試験のほか、IEC 60068-2-66に準拠した試験を実施できます。
大型HAST試験装置は、一般的なサイズの試験装置では難しいモジュールサイズの試料を投入でき、効率的に試験を行えます。また、2段積みタイプを活用すれば、上下の段で異なる条件の試験を同時に行うことも可能です。複雑な条件で精度の高い試験を行う場合は、内部の制御機能や安全機構が充実した装置の選定が重要となります。
このサイトでは、マイグレーション試験が依頼できる企業やマイグレーション試験の実例などを紹介しています。実施方法や評価のポイントなどを詳しく知りたい方は、以下の関連記事もぜひご覧ください。
フィードバック機能で実際のサンプル電圧をリアルタイム補正し、設定値と実際の印加電圧のズレを最小化します。
絶縁抵抗10⁵〜10¹⁴Ωまでカバーし、微小なリーク電流も正確に検出して信頼性の高い評価を実現します。
100°C超+高圧環境を作れるHAST装置との連携で、過酷条件を再現し、通常の何分の一もの時間で評価が可能です。
PC1台で最大256chまで拡張可能で、複数サンプルの一括試験による効率化と比較評価が容易になります。
たとえば、通常1,000時間かかる耐久評価を500時間以下に短縮可能。開発スピードを加速させ、思わぬ故障も未然に防ぎます。
また平山製作所のHAST装置の高絶縁抵抗を測定するための対策(特殊カバーやノイズ 対策)が、IMVの試験機が持つ高精度な測定性能を最大限に活かし、マイグレーションによる微小なリーク電流も正確に検出できるようになります。
※下記図は一例です。

| 項目 | 当社 IMV(+平山製HAST) |
他社 |
|---|---|---|
| 電圧精度 | 印加電圧の設定後、測定時にリアルタイム補正 | 印加電圧の設定のみ |
| 湿度制御 | 外部生成→内部供給で安定 (試験槽外に蒸気発生層があるため温度湿度分布が良い) | 試験槽内に装置がある場合、ばらつき大 |
| 測定スピード | 1秒未満の高速サンプリング | 数分単位の測定の場合、劣化の瞬間を捉えにくい |
| 多チャンネル対応 | PC1台あたり最大256ch | モデルによる制限 |
大型のHAST試験装置を選ぶことで、従来サイズの試験装置では難しい試験を効率的に行えます。しかし、実際の評価においては「どの製品にどの装置が適しているか」「どの装置を使えば適切な試験条件を満たせるのか」といった機種選定の視点も重要になります。
当サイトのトップページでは、印加電圧の大きさや用途に応じてマイグレーション試験機を紹介。信頼性評価の設計段階で考慮すべき試験方式や機種の特徴、選定時のチェックポイントもわかりやすく整理しています。
大型のHAST試験装置の役割を理解することで、適切な試験環境を構築するための判断精度が上がります。あわせて当然ですが、実際の評価においては「どの製品にどの装置が適しているか」「どの装置を使えば適切な試験条件を満たせるのか」といった機種選定も重要です。
「自社の製品にとって、どんな試験をどんな装置で実施すればよいのか?」といった具体的な検討でお困りではありませんか?
マイグレーション試験では、試験対象によって求められる印加電圧の条件が大きく異なります。たとえば、狭ピッチのプリント基板や微小電子部品などでは数V~数十Vの繊細な電圧制御が求められる一方で、EV部品などのパワーデバイスでは数千Vの高電圧に対応した耐圧評価が必要です。
このような背景から、当サイトでは試験機の選定において「印加電圧の大きさ」を判断軸としてマイグレーション試験と試験槽をご紹介しています。具体的には、低電圧試験に強みを持つ、IMVの試験機と平山製作所の試験槽(HAST装置)の組み合わせ、また高電圧に強みを持つESPECの試験機と試験槽(HAST装置)を比較し、それぞれの特長や活用シーンを整理しています。
現在、マイグレーション試験機の導入を検討されている方は、ぜひ当サイトのトップページ(下記リンク先)をチェックしてみてください。なお各社は受託試験も行っているため、導入前にまずは受託試験サービスを試してから検討することも可能です。
最適なマイグレーション試験機・試験槽を見つけるヒントに!
印加電圧の違いによって求められる試験環境は大きく異なります。ここでは、対象物に合った試験を強みとする受託試験会社を、2社ピックアップしてご紹介します。

引用元:IMV公式サイト
https://www.landingpage-synergy.com/k4yeiagc/

| 印加電圧設定 | 1.0V~250V |
|---|---|
| 試験所数 | 日本国内7・海外3拠点 |

引用元:ESPEC公式サイト
https://www.espec.co.jp/products/measure-semicon/25kv/

| 印加電圧設定 | 2.5kV |
|---|---|
| 試験所数 | 国内6拠点 |