半導体チップなどの性能を評価するHAST試験(高度加速寿命試験)の装置には、一槽式・二槽式の2種類があります。二槽式は一槽式と比較して、槽内の空間に余裕があるため、温度変化の影響を抑えやすい点が特徴です。ここでは、二槽式のHAST試験装置と実際の製品例について紹介します。
二槽式装置は、蒸気を発生させる槽(ボイラー)と、試験槽(チャンバー)がそれぞれ独立した構造です。半導体チップなどの試験のうち、精密な温度・湿度制御が求められる場合に、二槽式が用いられることがあります。
ボイラーでは、試験に必要な温度の水蒸気を生成します。チャンバーに試料を投入し、内部のヒーターで指定温度まで温めて、ボイラーから送られてくる水蒸気と併せる仕組みです。二槽式は2つの槽の温度差を利用して湿度を作り出せるため、一槽式よりも高度な信頼性評価に適した装置とされています。
一槽式装置は、1つのチャンバー内で水蒸気を発生させる装置です。槽の中に水を溜めて、ヒーターで加熱すると水蒸気が充満します。このとき、槽内は飽和状態に近い高湿度環境になり、結露が発生しやすくなります。結露は腐食などのリスクがあるため、高精度の信頼性評価試験には適さない場合があります。一槽式は環境の変化に敏感ですが、二槽式はストレス負荷を安定的に与えられるため、再現性も一槽式より高く、半導体の信頼性評価に適した方法の一つです。
2種類の制御方式(飽和・不飽和)と、3種類の排気モードを搭載したHAST試験装置です。二槽式のため精密な試験に適しており、3種類の運転モードでトータル1500ステップを登録できるプログラム運転モードを搭載。専用アプリによる外部からの遠隔操作にも対応しています。
二槽式構造を採用し、幅60.7cmというコンパクト設計が特徴的なHAST試験装置です。空焚きを防ぐ自動給水機能や、二重構造とインターロック機構を搭載した扉など、安全性にも配慮したモデルです。2種類の制御方式(飽和・不飽和)と2種類の排気モードをスイッチの切り替えで選択できます。
プログラム運転・定値運転の2モードに対応しているHAST試験装置です。カラー液晶ディスプレイやタッチパネルを採用しており、直感的で扱いやすい操作性を実現。また、耐圧性に優れた円筒形構造を採用することで、内部の無駄なスペースを減らし、試験に使用できる有効領域を広く確保しています。
HAST試験に使われる装置は、一槽式と二槽式の2種類です。いずれもメリットとデメリットがあり、精度の高い試験には二槽式が選択されるケースが多いとされています。両方の方式に対応した装置なら、試料や試験のタイプに合わせて方法を切り替えられます。
当サイトでは、マイグレーション試験を依頼できる会社、マイグレーション試験機の活用に関する事例を詳しく取り上げています。以下の関連記事もぜひご覧ください。
フィードバック機能で実際のサンプル電圧をリアルタイム補正し、設定値と実際の印加電圧のズレを最小化します。
絶縁抵抗10⁵〜10¹⁴Ωまでカバーし、微小なリーク電流も正確に検出して信頼性の高い評価を実現します。
100°C超+高圧環境を作れるHAST装置との連携で、過酷条件を再現し、通常の何分の一もの時間で評価が可能です。
PC1台で最大256chまで拡張可能で、複数サンプルの一括試験による効率化と比較評価が容易になります。
たとえば、通常1,000時間かかる耐久評価を500時間以下に短縮可能。開発スピードを加速させ、思わぬ故障も未然に防ぎます。
また平山製作所のHAST装置の高絶縁抵抗を測定するための対策(特殊カバーやノイズ 対策)が、IMVの試験機が持つ高精度な測定性能を最大限に活かし、マイグレーションによる微小なリーク電流も正確に検出できるようになります。
※下記図は一例です。

| 項目 | 当社 IMV(+平山製HAST) |
他社 |
|---|---|---|
| 電圧精度 | 印加電圧の設定後、測定時にリアルタイム補正 | 印加電圧の設定のみ |
| 湿度制御 | 外部生成→内部供給で安定 (試験槽外に蒸気発生層があるため温度湿度分布が良い) | 試験槽内に装置がある場合、ばらつき大 |
| 測定スピード | 1秒未満の高速サンプリング | 数分単位の測定の場合、劣化の瞬間を捉えにくい |
| 多チャンネル対応 | PC1台あたり最大256ch | モデルによる制限 |
HAST試験装置のメンテナンスの重要性を理解することで、安定した試験環境を維持するための判断精度は格段に上がります。しかし、実際の評価においては「どの製品にどの装置が適しているか」「どの装置を使えば適切な試験条件を満たせるのか」といった機種選定の視点も重要になります。
当サイトのトップページでは、印加電圧の大きさや用途に応じてマイグレーション試験機を紹介。信頼性評価の設計段階で考慮すべき試験方式や機種の特徴、選定時のチェックポイントもわかりやすく整理しています。
HAST試験装置のメンテナンスの重要性を理解することで、安定した試験環境を維持し、適切な評価を行うための判断精度は格段に向上します。あわせて当然ですが、実際の評価においては「どの製品にどの装置が適しているか」「どの装置を使えば適切な試験条件を満たせるのか」といった機種選定も重要です。
「自社の製品にとって、どんな試験をどんな装置で実施すればよいのか?」といった具体的な検討でお困りではありませんか?
マイグレーション試験では、試験対象によって求められる印加電圧の条件が大きく異なります。たとえば、狭ピッチのプリント基板や微小電子部品などでは数V~数十Vの繊細な電圧制御が求められる一方で、EV部品などのパワーデバイスでは数千Vの高電圧に対応した耐圧評価が必要です。
このような背景から、当サイトでは試験機の選定において「印加電圧の大きさ」を判断軸としてマイグレーション試験と試験槽をご紹介しています。具体的には、低電圧試験に強みを持つ、IMVの試験機と平山製作所の試験槽(HAST装置)の組み合わせ、また高電圧に強みを持つESPECの試験機と試験槽(HAST装置)を比較し、それぞれの特長や活用シーンを整理しています。
現在、マイグレーション試験機の導入を検討されている方は、ぜひ当サイトのトップページ(下記リンク先)をチェックしてみてください。なお各社は受託試験も行っているため、導入前にまずは受託試験サービスを試してから検討することも可能です。
最適なマイグレーション試験機・試験槽を見つけるヒントに!
印加電圧の違いによって求められる試験環境は大きく異なります。ここでは、対象物に合った試験を強みとする受託試験会社を、2社ピックアップしてご紹介します。

引用元:IMV公式サイト
https://www.landingpage-synergy.com/k4yeiagc/

| 印加電圧設定 | 1.0V~250V |
|---|---|
| 試験所数 | 日本国内7・海外3拠点 |

引用元:ESPEC公式サイト
https://www.espec.co.jp/products/measure-semicon/25kv/

| 印加電圧設定 | 2.5kV |
|---|---|
| 試験所数 | 国内6拠点 |