マイグレーション試験機専門メディア » エレクトロケミカルマイグレーション試験とは?|実施方法と評価のポイント » はんだ付用フラックス試験

はんだ付用フラックス試験

目次を見る
目次

はんだ付作業ではいくつか部品の品質を左右する要素があり、性能を確かめる際には、さまざまな試験を行います。はんだ付後の状態を確認する方法の一つが、フラックスに関する評価試験です。ここでは、試験の概要や方法について解説します。

はんだ付用フラックス試験とは?

はんだ付用フラックス試験とは、はんだが適切に接合できるかどうかや製造工程での不具合発生を防ぐために、フラックスの性能を確認する目的で行われます。

また、フラックス残渣(残留物)が適切に洗浄されているかどうかを調べるためにも行われます。

フラックスは金属表面の酸化膜などを除去し、はんだが接合しやすい状態に整えるためのものです。フラックス試験の主な目的は、はんだ付部分の問題の有無を確認し、工程上のリスクを把握することにあります。

フラックスにはさまざまな評価方法がありますが、この記事では、特にフラックス残渣によって起こるマイグレーションが発生するかどうかを確認する試験について解説します。

はんだ付用フラックス試験の方法

必要な装置と準備

はんだ付後に残ったフラックス成分が湿度の影響でイオン化し、そのイオンが電極間を移動することで、マイグレーションが発生する場合があります。

外観では異常が確認できない場合でも、高温多湿の環境で電圧を印加すると金属の突起が成長し、ショートにつながるリスクもゼロではありません。このようなマイグレーションの発生状況を確認するために、はんだ付用フラックス試験が用いられることがあります。

試験に用いる装置としては、次のものが挙げられます。

【装置の種類】

一般的に以下の手順で進めます。

  1. 基板4枚を精製水でブラシ洗浄し、続けて2-プロパノールで同様に洗浄します。
  2. 洗浄後、60℃の乾燥器で約3時間乾燥します。(前処理)
  3. 前処理後、基板の絶縁抵抗を測定し、10^13Ω以上あることを確認します。

続いて、試験片を作成します。

  1. フラックス(またはソルダペースト)を塗布します。
  2. フラックスの種類に応じた温度で短時間乾燥します。
  3. はんだ槽(またはホットプレート)に基板を載せ、規定時間加熱し、はんだ付します。
  4. 仕上がった基板にショートがないか確かめ、問題があれば作り直します。
  5. 電極に絶縁被覆銅線をはんだ付して試験に備えます。

試験と評価

作成した試験片を恒温恒湿槽に入れ、基板が試験温度に達するまで待ちます。

その後、電極間に直流45~50Vをかけ、1000時間経過したら試験片を恒温恒湿槽から取り出します。試験中は、水滴が直接パターン面に落ちないように基板の配置にも注意しましょう。

10倍以上の拡大鏡で電極間を観察し、樹枝状の金属が一方の電極から伸びているように見える場合、マイグレーションが起きたことになります。

はんだ付用フラックス試験以外の方法も確認しよう

マイグレーションが起こりやすいかどうかを調べるのに、はんだ付用フラックス試験が参考として用いられることがあります。また、他の評価試験と組み合わせることで、さらに詳しく製品の品質を評価できます。

マイグレーション試験機は印加電圧で選ぶ|
おすすめ2選と選定の考え方

イオンマイグレーションによるトラブルを防ぐには、「発生リスクの把握」にあわせて、適切な評価試験の実施も不可欠です。

マイグレーション試験では、試験対象によって求められる印加電圧の条件が大きく異なります。たとえば、狭ピッチのプリント基板や微小電子部品などでは数V~数十Vの繊細な電圧制御が求められる一方で、EV部品などのパワーデバイスでは数千Vの高電圧に対応した耐圧評価が求められます。

このような背景から、当サイトでは試験機の選定において「印加電圧の大きさ」を判断軸としてマイグレーション試験と試験槽をご紹介しています。具体的には、低電圧試験に強みを持つ、IMVの試験機と平山製作所の試験槽(HAST装置)の組み合わせ、また高電圧に強みを持つESPECの試験機と試験槽(HAST装置)を比較し、それぞれの特長や活用シーンを整理しています。

マイグレーション試験機の導入を検討中の方は、ぜひ当サイトのトップページ(下記リンク)をご覧ください。各社は受託試験も行っているため、導入前に受託試験サービスを試してから検討することも可能です。

最適なマイグレーション試験機・試験槽を見つけるヒントに!

印加電圧の大きさ別
マイグレーション試験機2選

対象物から選ぶ
マイグレーション試験を受託依頼できる
おすすめメーカー2選

印加電圧の違いによって求められる試験環境は大きく異なります。ここでは、対象物に合った試験を強みとする受託試験会社を、2社ピックアップしてご紹介します。

狭ピッチのプリント基板
絶縁フィルム・コーティング材
はんだ
めっき・フラックスの残渣
微細パターンのガラス
など
IMV
絶縁劣化評価試験器(IMV)

引用元:IMV公式サイト
https://www.landingpage-synergy.com/k4yeiagc/

絶縁劣化評価試験システム
IMV
引用元:IMV公式サイト
https://www.landingpage-synergy.com/k4yeiagc/
                           
印加電圧設定 1.0V~250V
試験所数 日本国内7・海外3拠点
誤差の影響が大きい低電圧でも、
正確な試験が可能
リアルタイムで測定物の電圧を検知・自動補正し、意図した通りの負荷を実現。そのため信頼性の高い試験結果を提供可能。
湿度環境を試験室外で生成し供給する方式を採用。外部環境の影響を受けにくく、設定湿度で安定した試験が可能。
EV/HV車向けパワーデバイス(IGBT)
車載用ECU
高電圧センサ基板
ワイヤハーネス
端子
など
ESPEC
ESPEC

引用元:ESPEC公式サイト
https://www.espec.co.jp/products/measure-semicon/25kv/

高電圧絶縁抵抗評価システム
ESPEC
引用元:ESPEC公式サイト
https://www.espec.co.jp/products/measure-semicon/25kv/
                           
印加電圧設定 2.5kV
試験所数 国内6拠点
高電圧のオーバーシュートを抑え、
安全に試験可能
高電圧試験での絶縁破壊や誤判定を防ぐ「ストレス電圧制御機能」により、オーバーシュートを抑え、滑らかな電圧立ち上げで信頼性の高い結果を実現。
扉の締め忘れや異常時の電圧印加を自動で中断するなど、安全機能を搭載。同一メーカー製だからこそ、試験機と連動した安全設計の相談も可能。
対象物から選ぶ!マイグレーション試験を
受託依頼できる
おすすめメーカー2選
対象物から選ぶ!
マイグレーション試験を受託依頼できる
おすすめメーカー2選