はんだ付作業ではいくつか部品の品質を左右する要素があり、性能を確かめる際には、さまざまな試験を行います。はんだ付後の状態を確認する方法の一つが、フラックスに関する評価試験です。ここでは、試験の概要や方法について解説します。
はんだ付用フラックス試験とは、はんだが適切に接合できるかどうかや製造工程での不具合発生を防ぐために、フラックスの性能を確認する目的で行われます。
また、フラックス残渣(残留物)が適切に洗浄されているかどうかを調べるためにも行われます。
フラックスは金属表面の酸化膜などを除去し、はんだが接合しやすい状態に整えるためのものです。フラックス試験の主な目的は、はんだ付部分の問題の有無を確認し、工程上のリスクを把握することにあります。
フラックスにはさまざまな評価方法がありますが、この記事では、特にフラックス残渣によって起こるマイグレーションが発生するかどうかを確認する試験について解説します。
はんだ付後に残ったフラックス成分が湿度の影響でイオン化し、そのイオンが電極間を移動することで、マイグレーションが発生する場合があります。
外観では異常が確認できない場合でも、高温多湿の環境で電圧を印加すると金属の突起が成長し、ショートにつながるリスクもゼロではありません。このようなマイグレーションの発生状況を確認するために、はんだ付用フラックス試験が用いられることがあります。
試験に用いる装置としては、次のものが挙げられます。
一般的に以下の手順で進めます。
続いて、試験片を作成します。
作成した試験片を恒温恒湿槽に入れ、基板が試験温度に達するまで待ちます。
その後、電極間に直流45~50Vをかけ、1000時間経過したら試験片を恒温恒湿槽から取り出します。試験中は、水滴が直接パターン面に落ちないように基板の配置にも注意しましょう。
10倍以上の拡大鏡で電極間を観察し、樹枝状の金属が一方の電極から伸びているように見える場合、マイグレーションが起きたことになります。
マイグレーションが起こりやすいかどうかを調べるのに、はんだ付用フラックス試験が参考として用いられることがあります。また、他の評価試験と組み合わせることで、さらに詳しく製品の品質を評価できます。
イオンマイグレーションによるトラブルを防ぐには、「発生リスクの把握」にあわせて、適切な評価試験の実施も不可欠です。
マイグレーション試験では、試験対象によって求められる印加電圧の条件が大きく異なります。たとえば、狭ピッチのプリント基板や微小電子部品などでは数V~数十Vの繊細な電圧制御が求められる一方で、EV部品などのパワーデバイスでは数千Vの高電圧に対応した耐圧評価が求められます。
このような背景から、当サイトでは試験機の選定において「印加電圧の大きさ」を判断軸としてマイグレーション試験と試験槽をご紹介しています。具体的には、低電圧試験に強みを持つ、IMVの試験機と平山製作所の試験槽(HAST装置)の組み合わせ、また高電圧に強みを持つESPECの試験機と試験槽(HAST装置)を比較し、それぞれの特長や活用シーンを整理しています。
マイグレーション試験機の導入を検討中の方は、ぜひ当サイトのトップページ(下記リンク)をご覧ください。各社は受託試験も行っているため、導入前に受託試験サービスを試してから検討することも可能です。
最適なマイグレーション試験機・試験槽を見つけるヒントに!
印加電圧の違いによって求められる試験環境は大きく異なります。ここでは、対象物に合った試験を強みとする受託試験会社を、2社ピックアップしてご紹介します。

引用元:IMV公式サイト
https://www.landingpage-synergy.com/k4yeiagc/

| 印加電圧設定 | 1.0V~250V |
|---|---|
| 試験所数 | 日本国内7・海外3拠点 |

引用元:ESPEC公式サイト
https://www.espec.co.jp/products/measure-semicon/25kv/

| 印加電圧設定 | 2.5kV |
|---|---|
| 試験所数 | 国内6拠点 |