ワイドレンジHAST試験は、車載部品や電子部品などに用いられている試験です。本記事では、ワイドレンジHAST試験の特徴やポイントを解説します。
ワイドレンジHAST試験は、通常のHAST試験より設定できる温度・湿度の範囲が広い試験です。
一般的な温度と湿度を与える加速試験には、恒温恒湿試験とHAST試験があります。それぞれの試験で制御できる温度と湿度の範囲は以下の通りです。
| 試験の種類 | 温度 | 湿度 |
|---|---|---|
| 恒温恒湿試験 | 100度未満 | 不飽和領域 |
| HAST試験 | 105度以上 | 75%RH以上 |
ワイドレンジHAST試験では、温度が80~140度程度、湿度が20~100%RH程度の範囲で制御できます。調整できる温度や湿度の範囲の広さが特徴です。
ワイドレンジHAST試験の主な利点は、不飽和領域を含めて調整できる温度や湿度の幅が広いことです。恒温恒湿試験やHAST試験では調整できなかった環境を再現し、試験を実施できます。
たとえば、ガラス転移温度や耐熱温度が低く、HAST試験を行えなかった評価対象を試験できます。従来の試験では、再現が難しかった環境で、不具合を確認できる点が特徴です。
温度と湿度の調整範囲を拡大したワイドレンジHAST試験は、さまざまな評価対象に用いられています。主な評価対象の分野は、以下の通りです。
例えば、照明機器では、LEDや樹脂材料の評価試験に用いられています。また、ウィスカ(金属の表面に発生する突起物)の加速試験にも採用されています。
ワイドレンジHAST試験を実施する場合は、再現したい環境を検討しましょう。試験環境は、評価対象によって異なります。試験装置を選定する前に、試験条件を確認することが重要です。
評価対象によっては、通電状態で試験を行う必要があります。通電状態で発生する不具合があるためです。試験前に、バイアス印加の必要性を確認しておかなければなりません。
使用する装置の使いやすさも、チェックしておきたいポイントです。設定が難しく、操作がしづらい装置では、試験担当者にかかる負荷が大きくなります。目的とする試験を円滑に実施できる装置を選びましょう。特に、解析ソフトやレポート作成機能の有無は、試験装置を導入する前に確認しておきたいポイントです。
ワイドレンジHAST試験は、従来の恒温恒湿試験やHAST試験より調整できる温度や湿度の範囲が広い加速試験です。試験装置を導入するときは、機能性や操作性を比較して、試験の目的や対象に合う製品を選びましょう。
当サイトでは、HAST試験に関する情報やマイグレーション試験機の活用事例などをまとめていますので、以下の記事もぜひご覧ください。
フィードバック機能で実際のサンプル電圧をリアルタイム補正し、設定値と実際の印加電圧のズレを最小化します。
絶縁抵抗10⁵〜10¹⁴Ωまでカバーし、微小なリーク電流も正確に検出して信頼性の高い評価を実現します。
100°C超+高圧環境を作れるHAST装置との連携で、過酷条件を再現し、通常の何分の一もの時間で評価が可能です。
PC1台で最大256chまで拡張可能で、複数サンプルの一括試験による効率化と比較評価が容易になります。
たとえば、通常1,000時間かかる耐久評価を500時間以下に短縮可能。開発スピードを加速させ、思わぬ故障も未然に防ぎます。
また平山製作所のHAST装置の高絶縁抵抗を測定するための対策(特殊カバーやノイズ 対策)が、IMVの試験機が持つ高精度な測定性能を最大限に活かし、マイグレーションによる微小なリーク電流も正確に検出できるようになります。
※下記図は一例です。

| 項目 | 当社 IMV(+平山製HAST) |
他社 |
|---|---|---|
| 電圧精度 | 印加電圧の設定後、測定時にリアルタイム補正 | 印加電圧の設定のみ |
| 湿度制御 | 外部生成→内部供給で安定 (試験槽外に蒸気発生層があるため温度湿度分布が良い) | 試験槽内に装置がある場合、ばらつき大 |
| 測定スピード | 1秒未満の高速サンプリング | 数分単位の測定の場合、劣化の瞬間を捉えにくい |
| 多チャンネル対応 | PC1台あたり最大256ch | モデルによる制限 |
大型のHAST試験装置を選ぶことで、従来サイズの試験装置では難しい試験を効率的に行えます。しかし、実際の評価においては「どの製品にどの装置が適しているか」「どの装置を使えば適切な試験条件を満たせるのか」といった機種選定の視点も重要になります。
当サイトのトップページでは、印加電圧の大きさや用途に応じてマイグレーション試験機を紹介。信頼性評価の設計段階で考慮すべき試験方式や機種の特徴、選定時のチェックポイントもわかりやすく整理しています。
大型のHAST試験装置の役割を理解することで、適切な試験環境を構築するための判断精度が上がります。あわせて当然ですが、実際の評価においては「どの製品にどの装置が適しているか」「どの装置を使えば適切な試験条件を満たせるのか」といった機種選定も重要です。
「自社の製品にとって、どんな試験をどんな装置で実施すればよいのか?」といった具体的な検討でお困りではありませんか?
マイグレーション試験では、試験対象によって求められる印加電圧の条件が大きく異なります。たとえば、狭ピッチのプリント基板や微小電子部品などでは数V~数十Vの繊細な電圧制御が求められる一方で、EV部品などのパワーデバイスでは数千Vの高電圧に対応した耐圧評価が必要です。
このような背景から、当サイトでは試験機の選定において「印加電圧の大きさ」を判断軸としてマイグレーション試験と試験槽をご紹介しています。具体的には、低電圧試験に強みを持つ、IMVの試験機と平山製作所の試験槽(HAST装置)の組み合わせ、また高電圧に強みを持つESPECの試験機と試験槽(HAST装置)を比較し、それぞれの特長や活用シーンを整理しています。
現在、マイグレーション試験機の導入を検討されている方は、ぜひ当サイトのトップページ(下記リンク先)をチェックしてみてください。なお各社は受託試験も行っているため、導入前にまずは受託試験サービスを試してから検討することも可能です。
最適なマイグレーション試験機・試験槽を見つけるヒントに!
印加電圧の違いによって求められる試験環境は大きく異なります。ここでは、対象物に合った試験を強みとする受託試験会社を、2社ピックアップしてご紹介します。

引用元:IMV公式サイト
https://www.landingpage-synergy.com/k4yeiagc/

| 印加電圧設定 | 1.0V~250V |
|---|---|
| 試験所数 | 日本国内7・海外3拠点 |

引用元:ESPEC公式サイト
https://www.espec.co.jp/products/measure-semicon/25kv/

| 印加電圧設定 | 2.5kV |
|---|---|
| 試験所数 | 国内6拠点 |